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畳の呼吸

 7月もあっという間に過ぎ、夏も真っ盛りになるはずなのに、今年は梅雨がなかなか終わらず毎日雨ばかりですね。お部屋もなんだかジメッとしていて、空気が肌に張り付くようで気持ちが悪いです。

 日本の夏は地域にもよりますが湿度が高く蒸し暑いのが特徴です。私たちの住んでいる地域は盆地ということもあり、とりわけ夏場の湿度には毎年うんざりさせられます。


 皆さんもご存知かもしれませんが、木造の家屋は湿度が高い時期にはそれを吸収し、乾燥する時期には溜めていた水分を解放することで屋内を快適に保つ効果があるそうです。偶然か、はたまた先人の知恵なのか、雨が多い日本に木造家屋が主だった理由の一つかもしれませんね。


 それと同じように、実は畳も湿度が高いときにはそれを吸収し、乾燥している時期には溜めた水分を放出するという特性を持っています。これを私たちは畳が呼吸すると呼んでいます。

 主にい草で作られた畳おもてやござの特徴です。

 ですので、い草の畳の上は夏でもサラッとしていて裸足で歩くととても心地よく、また子どもがそのうえで昼寝をしても寝汗で床がベタつくようなことがありません。

※おもてだけでなく、床(とこ)の種類によっても水分の吸収は異なります。畳おもてや床についてご存知ない方もいらっしゃると思います。それについては今後畳の構造についての回を設けますのでそこで詳しく説明します。

 

 畳を購入する際は、い草で造られたもの化学繊維で造られたもの和紙で造られたものなどを選択する機会があるかと思います。それぞれに善し悪しがあり、お客様の望まれる生活に見合ったものを購入していただくのが一番です。

 もし湿度をコントロールし快適な夏を過ごすお部屋を望まれるのであれば、い草で造られた畳やござを選択肢に入れるのは一つの案としておすすめいたします。


 夏休みやお盆の時期に畳に寝転がり、うちわを扇ぎながら風鈴の音に耳を傾け夕涼みをする。蝉の声とテレビから流れる高校野球の応援を遠くに聞きながら不意に香る蚊取り線香とい草の匂い。

 最高の夏ですよね!

 今年はコロナの影響で子供たちの夏休みが短くなったり、高校野球が中止になったり、お出かけや旅行などもあまりできませんが、それでも夏の思い出を作ることは可能です。

 皆さんの一生の夏の思い出のどこか一部に、畳のお部屋の光景がもしあったならば私は嬉しく思います。

 

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